音楽を評価していいのは,聴く人だけだ(作り手でも売り手でも批評家でもない)。評価されるべき曲は,たくさん待っている,はず。
quote:ストリーミング・ラジオ局のラスト・エフエムは,リスナーの好きな曲,嫌いな曲を学習し,そのデータに基づいてリスナー個人の好みに合う放送を行っている。放送された曲を最後まで聞けば好きな曲として記録され,途中で「チェンジ」ボタンを押して曲を変えると嫌いな曲になる。
ネットラジオはやはり著作権料の徴収が始まった時期から(過去記事),以前の勢いがなくなった。放送局は当然少なくなり,維持しているところでも活発さが失われた。が,このラスト・エフエムのシステムはすごい。ちょっと音楽業界の人は真面目に考えてみて欲しい。これほど完璧にユーザーの志向や興味をきちんと知る方法がいままであっただろうか。この方法で人気が確認できたらCDをリリースする,リリース枚数を大幅に増やす,より宣伝費をかける,ということが可能になる。しかも間違いはない。記事中で書かれているが,これは革命的な存在になりえる。
Live365というネットラジオ局は,放送している曲の切り替えはできないのでラスト・エフエムのような自動化はされていないが,曲への評価は手動でできる。プレイリスト(pic)の曲の右側にある「+」はぜひ購入したいというウィッシュリストへの登録,手のマークの「↑」は好きな曲,「↓」は好きくない曲(右側の「BUY」ボタンを押して購入しようとした曲もちゃんと記録される)。ラジオの開設者はその評価をみることができて(pic),曲の入れ替えの参考にできるようだ。評価の高い曲を残し,低い曲を除けばいい。しかもかなり詳しく,「Drops」はユーザーがラジオを停止した数,「Loss」がそのパーセント(曲の時間が長いと当然増えやすいのでそれとの兼ね合いで評価を判断するのがよいようだ)。聴いた人の数・時間が増えれば,確実に正確な評価となる。まず聞かせないという前提でプロテクトをかけ,音楽を評価する権利までも奪う愚かな作業をして売り上げを自ら下げている音楽業界の人は,無料でネットラジオ局でも開設してユーザーの声を聞くべきだろうな。しないと思うけど。
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